大判例

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東京地方裁判所八王子支部 昭和39年(ワ)358号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決要旨〕一、賭博金支払のために振り出した約束手形であつても、債権者がこれを受領したときは、もはや不法原因給付として返還を請求し得ず、自然債務につきすでに任意に履行の着手があつたものとして、手形債権は法認せらるものと解せられる。

二、約束手形に裏書して割引を受けた者が、任意に第三者に割引金を領得させ且つ割引き先がそのことを知つて割引いたとしても、それだけでは、裏書人を害することを知りながら手形を取得したものということを得ない。

〔判決理由〕賭博に敗けて賭博金支払の債務を負つた者が、その支払のために約束手形を振出し債権者がこれを受領したときは、債務者は不法原因給付たることによつてもはやその返還を請求し得ず、いわゆる自然債務につき既に任意に履行の着手があつたものとして、手形債権は法認せられるものと解せられる。よつて、被告中島の主張は抗弁として採るを得ない。

次に、約束手形に裏書して割引き先きから割引を受けた者が、割引によつて交付された金員を自ら収受せず自己の任意に第三者に領得させたとしても、且つ、割引き先きがそのことを知つて該手形を割引いたとしても、それだけでは、裏書人を害することを知りながら手形を取得したものということを得ないと解せられる。よつて、被告田辺の主張も抗弁として成り立たない。(立岡安正)

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